もみ仏 (上金屋地区)
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  あき          さいちゅう  たんぼ     こがね  いなほ   なみ  ゆ       はさ      いね  たば  か
 秋もたけなわ(最中)、田圃には黄金の稲穂の波が揺れて、稲架には稲の束が架かって
         ひ  あさお     はさ    ほう   み      なに           ひか        もの
いました。ある日、朝起きて稲架の方を見ると、何かピカピカと光っている物があるので
   ふじぎ     おも           い     み      ひか              ちい   ひとつぶ  もみ       もみがら
す。不思議に思ってそこへ行って見ると、光っているものは小さな一粒の籾でした。籾殻
  ひら      なか  こめつぶ ほとけさま       ひか                              いえ   げじょ   こめ
が開いて、中の米粒が仏様になって光っているのでした。それは、この家の下女が米を
そまつ        はさ    した               もみ ひろ
粗末にして、稲架の下にこぼれている籾を拾おうとはしなかったことによるのものでした。
ひとつぶ こめ   ほとけ  やど        おし     ち               あと   こめ  たいせつ         ほとけ  あつ
一粒の米にも仏が宿るという教えに違いないと、その後は米を大切にし、「もみ仏」を篤く
あが
崇めました。
いま  かみかなや  どひけ     あんち               もみがら         ほとけ     すこ    そんしょう
今も上金屋の土肥家に安置されています。「籾殻」にも「もみ仏」にも少しの損傷もないの
         ふしぎ                                ほとけ    ひ          もみ  なか しょうめん  む
ですから不思議というほかはありません。 「もみ仏」は日によって、籾の中に正面を向い
              よこむき                     もみがら  うえ            あ                      む
ておられたり、横向きになっておられたり、籾殻の上にすっかり上がっておられたりして向
    か                 げんざい     きんりん むら    ひとびと     おが     く
きを変えられるのです。現在でも、近隣の村から人々がよく拝みに来るそうです。 
   稲架・・・穀物を乾燥するために、立木に横木をくくりつけたもの         <越前丸岡の民話と伝説>