鳴鹿水族館 サケの飼育・観察 平成19年度
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活動報告(かつどうほうこく)→ 11月 12月 1月 2月 3月
観察記録(かんさつきろく) → 12月 1月 2月 3月
ビデオ(動画wmpファイル) → 人工授精 ふ化
活動報告 1月
 今年のサケの成育は,昨年とはちがい大変順調に育ってきています。今のところ死んでしまった仔魚は1匹も確認できていません。年末からふ化が順調に進み,3学期を迎えてたくさんの仔魚(しぎょ)が水そうの中を元気に泳ぎ回っています。昨年との比較では,水温が発眼卵から現在(1月8日)まで、比較的安定した水温で維持できたこと(水温9℃から10℃),また,昨年は仔魚の隠れ家としていただいた筒状の黒いネットを使っていたのですが,仔魚が頭を入れてしまいそのまま動けず死んでいたことの反省をいかし,永平寺川で実際にサケが産卵床として採取した小石を水そうに敷きました。小石はふ化した仔魚が底にかくれることになり,観察をするうえで困難になりましたが,かえってサケへのストレスが少なくなったのではないかと子どもたちと話をしています。
1月4日(金) 積算温度 770℃ 
◆あけましておめでとうございます。元気に育っています。
 新年あけましておめでとうございます。さて,年末年始は冬型が強まり,福井県地方でも本格的な積雪がありました。今日は冬型も一段落し,鳴鹿小学校周辺では約15cmの積雪となっています。サケの水そうは,サケの稚魚の積算温度が約770℃に達しています。稚魚のさいのうもすっかり小さくなり,まだら模様(パーマーク)も現れてきました。そして既にえさを食べ始め,時折水そう内を元気に泳ぎ回るまでに成長しました。3学期からは,科学クラブに加えて「サケ見守り隊」による飼育活動が始まります。冬休みもあとわずかですが,サケたちも子どもたちの元気な姿と再会するのを楽しみにしています。
1月9日(水) 積算温度 820℃
◆サケ見守り隊スタート みんなで力をあわせよう!
 サケ見守り隊」の活動がスタートしました。サケ見守り隊は,4年生から6年生までの「サケ飼育」に興味がある児童の縦割り活動です。お昼休みの時間を利用して理科室で発足会がありました。担当の先生から飼育マニュアルを使って,日常活動(水かえ・水質調査・エサのやり方など)について細かいところまで指導がありました。見守り隊の精鋭13名は,3月上旬の九頭竜川放流まで当番活動が継続されます。2学期に飼育を担当していた科学クラブ員が各班リーダーとなって,見守り隊員と協力して大きく育てていきます。
 さっそく,水そうに入れてあった小石(サケの隠れ家)を全部取りのぞきました。すべての稚魚が観察できるようになりました。毎年のことですが,隠れ家の隅に死んだサケがいるか不安の中の作業でしたが,1匹の死がいも確認できなかったことに隊員一同で喜びをかみしめていました。本当に良かったですね。昨年は,発眼卵から稚魚になるまでに約30%が死んでしましました。ご指導をいただいている九頭竜川資料館のお話しでは,「人工授精をしたメスのタマゴの中に未成熟のものがあったのか,人工授精の時のタマゴを殺菌するのがうまくいかなかったのか。」等,成育率が悪かった理由を教えて頂きました。一粒の小さなタマゴから,今ではいきよい良く水そうを泳ぎ回る稚魚へ成長していく生命力を観察できる「サケ飼育」は,すばらしい学習だと考えています。
1月11日(金) 積算温度 839℃
◆サケ見守り隊の活動状況 元気に育っています。
 サケ見守り隊の活動がスタートして3日目になりました。隊員のみなさんは,毎日の飼育活動に積極的に取り組んでいます。たいへんりっぱです。積算温度は839℃です。今日の観察記録には,「仔魚は1匹しかいなかった。水そうのそばで手をふると,あわててにげていった。水かえをするとき,サケ君はこわそうににげていった。私たちもサケの飼育は初めてなので,水かえのホースから吸い込まないようにとてもこわかったです。サケはむれになっていきよいよく泳いでいました。とても元気です。先生が数を数えて下さいと言いましたが,だいたい稚魚が55匹だと思います?」と,記録がされていました。もっと数がいるようにも見えるのですが,元気よく泳いでいるのではっきりとした数は分かりません。今日の活動内容は,90cm水そうの水を1/4ぐらいの水かえ,エサは,朝・昼休み・放課後の3回やりました。放課後,6年生の児童が二人でサケを観察していました。全校児童で大切に育てています。
1月16日(水) 積算温度 878℃
◆隊員ナイスアイディア 稚魚の成育数:写真判定で90匹!
 サケ見守り隊の活動がFBC放送の取材がありました。この取材は,3月上旬に九頭竜川資料館で開催されます「サケ旅立ちの集い」にむけての各学校の取組の様子を記録するとお聞きしました。今日の活動内容は,水かえ・水質検査(PH・DO)・観察記録・エサやりです。大きなテレビカメラがかまえる中での飼育活動になりましたのでサケ見守り隊のみなさんもちょっと緊張気味でした。 また,サケの正確な数を調べるための方法として,隊員から「写真に撮って数えたらいい」のナイスアイディアがありました。さっそく,やってみました。ピントが合わず魚影がはっきりしない個体もありましたが,確かに数えることができました。その結果は90匹でした。
1月22日(火) 積算温度 921℃
◆飼育活動 稚魚の順調な成長を確認
 サケ飼育でお世話になっている九頭竜川資料館の方が生育状態を観察にいらっしゃいました。飼育活動も1月下旬になり積算温度が921℃になりました。資料館の方のお話しでは,鳴鹿小学校のサケの生育状態は良好であり,たいへん大きく成長していると教えていただきました。飼育活動に集まってきた見守り隊のみなさんもこれまでの頑張りが評価されてとてもうれしそうでした。最近は朝・昼・放課後の3回のエサの量も増えてきて,エサをまくとほとんどのサケが水面近くにあつまりエサを食べます。また,隊員のみなさんにこれまでのサケ飼育での感じたことをインタビューされていました。隊員からは,「毎日世話をすることは大変ですが,あの小さな卵がこんな元気なサケの稚魚に成長したことがとても感動する。」との感想も聞かれました。3月1日(土)の九頭竜川へ放流までもう少しありますが,心をこめてりっぱな稚魚に育てていきたと思います。