5年生環境学習(まほろば学習=総合的な学習の時間)
「お米作りで考えよう 鳴鹿の環境」
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「バケツ稲を育てよう」1学期その1(5月)
 鳴鹿地区は九頭竜川扇状地の扇頂部に位置し,1500年以上も前から「まほろばの地」として,古代の王が水源地である鳴鹿を支配し,越の国の稲作を支え栄えてきました。今でも「鳴鹿大堰」から用水路を経て坂井平野をうるおす重要な水源地であり続けています。つまり鳴鹿地区の環境が,現在の福井県の食料生産を支えているといっても過言ではないのです。
 国内の食料生産に注目すると,食料自給率がカロリーベースで40%にまで落ち込んだ一方で,食生活の変化とともに米の消費量が年々減少しつつあります。米の消費量の減少が生産にも影響を与え,人間の生活と水生生物が共存してきた水田は,全国的に減少したり荒廃したりして,環境破壊につながっています。そして米離れが食料自給率低下に拍車をかけていますが,米以外の穀物が世界的な人口増加やバイオ燃料ブームによって供給不安にさらされたり,日本に向けた水産物の養殖も環境破壊や資源減少の一因となっています。
 この稲作体験では,米づくりに適した鳴鹿地区の環境を考えるとともに,米づくりを通して人々の生活と環境との共存共栄のあり方を考えていきたいと思います。
 →1学期その2(6〜7月)へ
【お知らせ】
この取り組みは,第19回「バケツ稲づくりコンテスト」(全国農業協同組合中央会主催)にて
「団体の部 全国農業協同組合連合会会長賞」をいただきました。(2008年2月1日)
 →「バケツ稲づくりネットワーク」サイトへ
5月8日(火) 塩水選・芽出し
 今年もJA全中よりバケツ稲セットをいただきました(品種は晩生の日本晴)。そのまま芽出しも行えるのですが,社会科の時間に習ったように,塩水を使って良い種もみを選ぶ「塩水選」を行ってみました。その後シャーレの中で芽出しを行いました。
塩水選には,水100g対して食塩13gをとかした食塩水を使います。 種もみを食塩水の中に入れて待ちます。既に選別済みの種もみなので,最終的にはほとんどの種もみがしずむのですが。
この先4枚は児童撮影。真っ先にしずんだ種もみは,まちがいなくよい種もみでしょう。ういている種もみも最後にはしずみました。 このあとシャーレに入れて芽出しを行います。必要な条件は「水」「空気」「(適当な)温度」でしたね。特に空気を入れるために,水かえはひんぱんに行いました。
3日後の5月11日,このように芽が出てきました。まだ寒い日もあったのですが,意外に順調です。 5月15日,芽が2mmほどになりました。これ以上伸びては植えにくいので,そろそろ”田植え”です。
2枚とも5月15日に記録したワークシートです。
5月11日(金) 土づくり
 芽が出るまでの間に土を準備します。一昨年の実践では全員が同じ土を使っていたのですが,今回はどの土を使うかを自由に選ばせました。それぞれがよりよい条件を考える,これが今回のバケツ稲づくりのポイントです。土づくりでは採取してきた土をよくほぐし,数日間天日に干します。土はそのまま使うのではなく,よくほぐした上で乾燥させると,土の中の菌の活力が増すそうです。
ここの土は一昨年使ったものと同じものです。「お兄ちゃんがこの土で立派に育てたから」とか。 学級園から採取する児童も。「去年,この土でヘチマがよく育ったから」とか。
そのほか「田んぼの土が間違いなくいい」と自宅の水田の土を持って来た人など。それぞれ大きなビニル袋の上に広げ,数日間天日に干します。 数日後,かわかした土を観察しました。それぞれのちがいは一目瞭然のようです。
以下,2枚は児童撮影。畑からとってきた土は,このようにさらさらとしていました。 一方,水田の土は粘土質で固まっていました。どちらの土が稲作に適しているか,育てながら調べることにしましょう。
5月16日記録のワークシート一例です。
5月18日(金) 2つの”田植え”
 5月18日,地区体育祭が迫り忙しかったのですが,芽が伸びてきたので急いで種もみをまきました。バケツに乾かした土と肥料を混ぜ合わせて入れ,約10個ずつの種もみをまばらに植えました。しかもこの日は,「まほろばファーム」でどろんこ教室もあり,本物の”田植え”と合わせた体験でした。
それぞれのバケツには約10個ずつの種もみを植えました。芽が少し伸びていたので,ちょっと絡まってやりにくかったのですが… 種まきを終えたバケツは,ビニル(土づくりで使ったものを再利用)をかぶせて教室横のベランダへ。あえてビニルをかぶせたのは,寒さとスズメの対策のため。
同じ日に「どろんこ教室(田植え)」も行いました。なぜ種ではなく苗を植えるのか,その意味も考えましょう。
→行事紹介「どろんこ教室(田植え)」
1週間後の5月25日,医学部実習生が見守る中,芽の観察を行いました。バケツ稲づくりも「健康と環境」につながるテーマかもしれません。
5月25日現在,芽が約3cm,葉の数2枚ほどに成長しました。 これは5月29日,下記の苗の移し替え直前の観察ワークシートです。
5月29日(火)・30日(水) 苗の観察と移しかえ
 バケツ稲とまほろばファームとの比較も始まりました。当然両者の条件は大きくちがいます。バケツの中と広い水田,一株の稲と多数の稲,植える時期のちがい,品種(バケツ稲は日本晴,まほろばファームはコシヒカリ)など。まほろばファームの稲の方が先の育つので,観察の成果をバケツ稲づくりに生かすこともできます。
まほろばファームの稲を観察し,デジカメやスケッチで記録にとります。バケツ稲とまほろばファームの稲の成長を比較します。 児童撮影のまほろばファーム稲。田植えを終えて約1週間。葉の数も増えていることが分かります。
バケツ稲も同じように定期的に観察し,スケッチやデジカメに記録し,気づいたことをまとめます。 バケツ稲はこの段階で葉が2〜3枚程度。そろそろ苗の移しかえ時です。
5月30日,苗の移しかえを行いました。苗の中から3本程度を選び,バケツ中央に移しかえるものです。3本程度とは,田植えの時につまんだ苗の本数と同じですね。 残った苗はすてずに,他の容器に移しかえました。ペットボトルを切ったものや,駅弁の容器など… 容器の大きさによる稲の育ち方のちがいは後ほど明らかに…
6月上旬のまほろばファーム観察の様子です。”自分の稲”と決めた稲の背丈や葉の枚数を調べています。 この頃になると,自分で進んでバケツ稲やまほろばファームの観察に行き記録をとる姿が目立つようになりました。
6月4日,児童撮影のバケツ稲です。まもなく「分げつ」が始まろうかという頃です。小さいながらもしっかり根付いてきた様子が分かります。 同じく児童撮影による,小さい容器の稲の様子です。まだバケツ稲とは大差ないようですが。ちなみにこれは信越線の有名駅弁の容器を再利用したものです。
→1学期その2(6〜7月)へつづく
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